[原子力産業新聞] 2008年10月23日 第2450号 <2面>

保安部会WG 安全協力の3方針示す アジア重点化等

総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の国際原子力安全WG(主査=関村直人・東大院教授)は17日の会合で報告書骨子案をほぼ取りまとめた。海外の安全規制機関との協力でアジア地域への重点化を図るなど、3項目の我が国が採るべき国際原子力安全活動の基本方針を掲げている。

アジア地域への重点化の具体策としては、(1)各国の安全規制機関のニーズを踏まえた協力の強化(2)情報共有体制の構築(3)安全審査・検査情報などの各国安全規制機関への提供(4)産学官連携による効果的活動――を挙げた。

中国のように原子力発電の拡大期に入った国では、これまでの運転要員の育成というニーズから、全国展開する施設の安全レベルをいかに維持・向上するかという安全規制の効果的実施へのニーズに変化していると指摘。情報共有では、近隣諸国の事故・トラブルで周辺国の国民に不安をもたらすことを考えれば、例えば日中韓で事故などの情報共有ネットワークの構築を主導し、将来的にはアジア全体の原子力安全をリードする体制へと展開する必要もあるとしている。

アジア地域への重点化以外の基本方針は、安全規制における我が国の強みと経験を活かした国際活動の展開、IAEAなど国際機関の活動への積極参画とその成果の活用を掲げている。


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