[原子力産業新聞] 2008年10月23日 第2450号 <3面>

英国 原子力の開発戦略策定で エネ気候変動省を創設

英国は3日付で「エネルギー・気候変動省(DECC)」を政府内に創設し、14日には同省の担当業務内容として原子力や再生可能エネルギーの開発戦略が含まれていることを明らかにした。

DECCは英国におけるエネルギー供給問題、および地球環境問題の解決を目的に、G.ブラウン首相が環境・食糧・農林省(DEFRA)の気候変動担当グループとビジネス・企業・規制改革省(BERR)のエネルギー担当グループを統合して創設した省。閣内相(大臣)としてE.ミリバンド内閣府・第三セクター担当相が任命されたほか、個別の問題を担当する閣外相(副大臣)としてM.オブライエン下院議員とP.ハント上院議員が任命されている。

原子力関係でDECCが扱うのは、放射性廃棄物対策や国際的な核不拡散問題を含む開発戦略の策定で、主にオブライエン閣外相が担当する。低炭素経済の実現および豊富なエネルギー供給保障のための具体的な施策として、原子力は再生可能エネルギーや炭素回収・貯留などと共に低炭素なエネルギー供給方法の1つに位置付けられている。

ミリバンド大臣は就任時の声明文の中で、「DECCの創設はエネルギー政策と気候変動が直接リンクしているという事実を反映している」と指摘。気候変動やエネルギーに関する英国の政策を将来の世代においても持続可能なものとすることを自らの職務と認識していることを明らかにした。

同大臣はまた、16日の議会審議では「英国は将来のエネルギー供給を保証できる市場を必要としており、それには原子力発電と炭素回収・貯留への投資が不可欠。原子力は英国のエネルギー供給源の構成要素でなくてはならない」と述べたと伝えられている。


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