[原子力産業新聞] 2008年10月23日 第2450号 <6面>

世界で使える宇宙線計算システム

放射線医学総合研究所はこのほど、世界各地を結ぶ航空路線について、フライト中に受ける宇宙線の線量を計算するプログラム「JISCAD EX Personal Edition」を開発、ウェブサイト上での公開を始めた。

上空では大気が薄くなることから、フライト中は地上に比べて、強い宇宙線を受ける。例えば、東京、ニューヨーク間の往復で被ばくする線量は、約0.2mSvだ。そのため、放射線審議会では、宇宙線被ばくガイドラインとして、5mSv/年の管理目標値を定めて、航空会社に通達を行っている。

既に、放医研では、成田と関空を発着する国際路線の線量計算システムを開発し、モバイル版も含めウェブ公開を行っているが、宇宙線被ばくに対する関心の高まりから、システムが適用できる飛行ルートの拡大が求められていた。このほど公開となった新プログラムは、ルートの拡大だけでなく、ICRPの07年勧告も採り入れるなど、改善が図られている。


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