[原子力産業新聞] 2008年10月30日 第2451号 <14面>

日立がメタボ対策で「新兵器」 内臓脂肪を可視化

日立製作所はこのほど、体重と腹囲から内臓脂肪の蓄積をX線CT画像風に可視化する「内臓脂肪シミュレーション技術」(=写真)を開発した。

今年、始まったメタボリックシンドロームに着目した保健指導で、ダイエットやジム通いにいそしんでいる人も多いことだろう。生活習慣改善指導に際し、X線CTで撮影した内臓脂肪の蓄積度合いを対象者にまず提示するのだが、体重が変化した場合の内臓脂肪蓄積度合いを推定する効果的な支援技術が求められていた。

日立は、東京慈恵会医科大学の協力を得て、7万5,000例の健診データを解析、腹囲周辺の構造を分析し、腹部構造を模式化した変形モデルを考案することで、推定される蓄積度合いを、擬似的な腹部の断層画像として表示する技術を開発した。

このシミュレーションは、対象者のX線CT画像から腹囲周辺の構造を分析し、内臓脂肪と筋骨格構造を模式化し、疑似断層画像として表示。上の画像では体重80kgの人が71kgに減少すると、腹部も左側から右に変形する例で、将来の内臓脂肪の蓄積度合いが表示されるという具合だ。

画像は、内臓脂肪(赤)、皮下脂肪(青)、脊椎(白)、腸管(黒)、腹筋(灰色)に相当する箇所がそれぞれ色分けされており、保健指導の普及、対象者にとっては、生活習慣改善の意識向上に貢献しそうだ。


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