[原子力産業新聞] 2008年10月30日 第2451号 <9面>

海生研もハイキングコースに JR御宿駅ハイク

東日本旅客鉄道(JR東日本)は25日、千葉県・房総半島の東海岸にある御宿駅を中心に、「スペイン・メキシコ友好歴史探訪ハイキング」を行い、コースの中に海洋環境放射能評価や温排水の影響研究などを行っている海洋生物環境研究所(=海生研、弓削志郎理事長)・中央研究所も組み込まれ、駅から遠いにも関わらず、多くの市民や家族連れが訪れた。

中央研究所では、御宿町全体が自然ミュージアムになる毎年のイベントでは、研究所内を開放して、子供たちにも普段はあまり見ることのできない魚などを身近に感じてもらっているが、JR東日本の「駅からハイキング」コースに組み込まれたのは初めて。

研究所員もボランティアで案内役などを務めた。

同中央研究所が立地する同町岩和田の海岸は、1609年9月、当時スペイン領フィリピンのドン・ロドリゴ総督を乗せた帆船サンフランシスコ号が、総督帰還のためフィリピンからメキシコへの帰路、台風に遭遇し漂流、岩和田海岸で座礁した。このとき、岩和田村民が総出で乗組員373人中、317人を救助、特に海女たちが飢えと寒さと不安にうちふるえる異国の遭難者たちを献身的に救助したことが、いまに伝わっている。

その後、徳川家康が新船を三浦按針に建造させ、翌年彼らは無事、メキシコに帰国。このとき22人の日本人が同乗していたことは余り知られておらず、日本人が太平洋を渡った最初のケースで、咸臨丸がサンフランシスコに行った250年も前のことだった。


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