[原子力産業新聞] 2008年11月6日 第2452号 <3面>

ITER機構と協力協定 IAEA

国際原子力機関(IAEA)は10月13日、国際熱核融合実験炉(ITER)機構と核融合研究に関する協力協定に調印したと発表した。

この協定は、IAEA憲章およびITER協定における目標を効率的に達成するという観点から、両機関の実務関係強化を目的に結ばれたもの。10月13日からジュネーブで開催された第22回IAEA核融合会議の初日に、IAEAのY.ソコロフ事務局次長とITER機構の池田要事務局長が署名した。

協力内容としては、核融合技術の応用可能性や研究に関する情報交換や両機関が開催する会議、すなわちITER理事会やIAEA年次総会、およびそれぞれの科学技術関係会議への相互参加が明記されている。また、両機関は核融合関係の研修や出版物、科学会議の開催、プラズマ物理とデータのモデル化、および核融合安全保障などの分野で協力していく予定。同協定ではさらに、核融合計画を実施していない国々にも同研究を普及させるとともに、将来的には研究活動への参加を求めていくとしている。

IAEAはITER計画が始まった当初から、関連する交渉の仲介などを通じてITERと関わっており、同事務局長はITER協定の保管人も務めている。

同協定は両者の署名により直ちに発効した。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.