[原子力産業新聞] 2008年11月13日 第2453号 <1面>

安全委懇談会 利益相反への対応求める 二次審査の中立性等で提言 委員会方針、速やかに検討へ

原子力安全委員会の「安全審査における専門性・中立性・透明性に関する懇談会」(座長=高橋滋・一橋大教授)は10日、中間報告を取りまとめ同委員会に報告した。専門性では事業者からの直接聴取の検討を求め、中立性では規制行政庁のみならず申請者との利益相反への対応が必要とし、透明性では外部からの検証に耐える詳細な情報公開などを求めた。鈴木篤之・原子力安全委員長は、同報告に対する委員会方針を、速やかに取りまとめると述べた。

懇談会は、安全委員会の二次審査における専門性・中立性・透明性の一層の向上を目指して今年8月に設置。行政法や科学者倫理などの専門家が参加し、これまで4回の審議を重ねた。

専門性では、安全審査における各分野の相対的な重みが変化してきているとし、委員の選任は最新の状況を踏まえて検討する必要があり、特に、耐震安全性に関する配慮の強化を要請。意見公募は原則的に全ての審査案件を対象とすべきとし、併せて二次審査は、規制行政庁が行った審査の妥当性を判断するものだが、事業者からも根拠となるデータや解析方法などを直接聴取することを検討すべきとした。

中立性では、申請者との利益相反も、何らかの考え方により対応する必要があると指摘。審査委員の専門性によって、利益相反により審査に影響する恐れが特に強い場合には、審査委員への就任や審議への参加を求めないが、潜在的可能性がある場合には自己申告などの手段により、それを把握すべきとしている。ただし、一定の要件に該当する者を審査から除外した場合、優れた知見を持つ専門家の参加の障害になり得るため、まずは審査過程でも透明性の確保により、利益相反の問題が生じないようにすべきとも指摘した。

透明性では、外部からの検証に耐えるだけの情報公開が、中立的判断も担保すると強調。各種審議会の議事内容の公開は「議事概要」ではなく詳細な「議事録」とし、出来るだけ早期に公開する必要があるとしている。


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