[原子力産業新聞] 2008年11月20日 第2454号 <1面>

原子力機構、JMTR利用 医療用Tc国産化へ

日本原子力研究開発機構は17日、放射性医薬品Tc99mの親核種のMo99を材料試験炉JMTRで国産化するため、技術的検討を開始すると発表した。

Mo99は半減期が約66時間と短く、全量を輸入に頼っているため、医療現場から安定供給が求められてきた。原子力機構では、JMTRの再稼働のための改修とともに、今回、中性子放射化法によるMo99製造を開始すべく、医薬品メーカーなどと意見交換し、理事長諮問機関のJMTR運営・利用委員会のもとに、産学協力による「Mo99国産化検討分科会」(部会長=上塚寛・同原子力科学研究所副所長)を立ち上げた。今後は同分科会のもと、Mo99製造の技術的検証を実施し、国内需給体制の確立を目指す。

Mo99の国産化を巡っては今年7月、日本学術会議の専門家による委員会も「JMTRでのRI製造はわが国のRI安定供給にとり喫緊かつ最も重要」などと提言している。


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