[原子力産業新聞] 2008年11月27日 第2455号 <2面>

柏崎市 基本計画を策定復興の象徴「新会館」

柏崎市は、昨年7月の新潟県中越沖地震で被害を受け使用禁止となった旧市民会館に代わって、震災からの“復興のシンボル”と位置付ける新市民会館の建設基本計画(案)を作り、市民の意見を聞いた上で、このほど建設基本計画を策定した。

建設場所は、現在の市役所に隣接する場所からJR柏崎駅の東北東約500メートルの位置に移し、隣接する駅前公園を含む約11万平方メートルの地区に、敷地面積約3万平方メートルを確保する予定。

市民の芸術文化活動の中核施設として位置づけ、災害時には被災者等への支援を行う救援機能を併設する方針だ。

今年度に設計者の選定を行い、来年3月から基本設計に着手する予定で、2011年度末竣工、12年度に開館予定だ。必要延床面積は約7500平方メートル程度になると想定し、建設費は約47億円、合併特例債と電源立地地域対策交付金を活用する予定だ。

客席規模は旧市民会館(約1100席)と同等規模程度、リハーサル室(多目的室)、大会議室、小会議室、駐車スペース約500台などを備えることにしている。計画地は日本石油加工跡地を活用するため、土地区画整理事業として、事業化に向けて柏崎市、土地所有者の新日本石油、事業施工予定者の都市再生機構の3者で協議を進めて行く。

運営主体については、すでに旧会館でも採用していた公募による指定管理者制度か、文化を育む観点から直営ないし特定の財団法人等による継続的な管理運営かなどは、今後さらに検討する。

旧市民会館は、1968年に開館し、長く柏崎市民に親しまれてきたが、昨年の地震に見舞われる前から老朽化が進んでいたことから、市は06年6月に新市民会館建設検討委員会(委員長=油浅耕三・新潟工科大学教授)を発足させ、新たな市民会館の検討を行ってきたが、昨年の地震で検討も一時中断したものの、今年2月に検討結果を市に提出していた。


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