[原子力産業新聞] 2008年11月27日 第2455号 <3面>

英国 トリガー・リスト品目で インドへの輸出許可を審議

英国のB.ランメル外務担当閣外相は10日、英国政府が平和利用目的のトリガー・リスト品目(原子力専用品・技術)すべてについて、インドへの輸出を許可する方向で検討中であることを議会下院で明らかにした。

この動きは、原子力供給国グループ(NSG)が9月の臨時総会で核不拡散条約に未加盟かつ国際原子力機関(IAEA)の包括的保障措置協定未締結のインドを「特例扱い」とし、平和利用目的の原子力関連機器・技術の移転を許す決定を下したのに基づくもの。フランスと米国がすでにインドとの原子力貿易再開に踏み切るなど、世界の原子力産業界がインドに対してドアを開く動きを見せていることから、英国としても追随することになったと見られている。

英国議会の議事録によると、同相はまず、英国政府が2002年3月以降、NSGのガイドラインに従ってインドへのトリガー・リスト品輸出に関する許可申請をすべて拒否してきたという事実に言及。しかし、政府は現在、IAEAの保障措置下に置かれるインドの民生用原子力施設に対してはケース・バイ・ケースでトリガー・リスト品目および汎用品リスト品目の平和利用目的の輸出を許可することを検討しているという。ただし、NSGの方針に従い、これらの品目が保障措置下にない核燃料サイクル活動や核爆発関連の活動に転用される、あるいは転用リスクが非常に高いと考えられる場合は、これまで通り輸出申請を規制する方針だ。

なお同相は、これらの方針はまもなく発効する予定だと明言している。


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