[原子力産業新聞] 2008年12月4日 第2456号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 11月の設備利用率は58.1% 相次ぐ定検作業中の火災発生

原産協会の調べによると、11月の国内原子力発電所の稼働状況は、設備利用率58.1%、総発電電力量206億2507万kWh(対前年同期比2.4%増)で、利用率は前月の56.9%から若干の上昇。11月中、定期検査入りに伴い停止したプラントは、BWR3基、PWR1基の計4基、また、運転を再開したのは、BWR1基、PWR4基の計5基で、結果、炉型別の設備利用率は、BWR48.2%、PWR73.4%と大きく開いた。

定検中の中部電力の浜岡5号機は2日、調整運転を開始したものの、気体廃棄物処理系で水素濃度の上昇が確認されたことなどから、原因調査のため、5日、原子炉を手動停止した。また、運転中の関西電力美浜1、2号機では20日、送電系統への落雷の影響により、原子炉自動停止となったが、22日までにいずれも運転を再開した。

その他、トラブル等としては、定検作業中の火災発生があり、まず、東北電力女川1号機で13日、27日と相次ぎ、原子炉建屋内の空調機、養生シートで出火、いずれも周辺の作業員により火は直ちに消し止められたが、13日の火災では、作業員1名が火傷を負った。また、同じく定検中の東京電力柏崎刈羽7号機では22日、タービン建屋で作業中、洗浄液に引火、火はすぐに消し止められたが、作業員2名が火傷を負うなどした。これら事象を受け、原子力安全・保安院は、両社に対し原因究明と再発防止を求めた。

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長期停止プラント(計10基)を除くと、11月の利用率は73.1%となる。


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