[原子力産業新聞] 2008年12月11日 第2457号 <1面>

他産業の廃棄物に学ぶ 原産協会シンポ

原産協会は9日、「高レベル放射性廃棄物処分シンポジウム」を都内で開催(=写真)。PCB処理施設の立地、長野県の住民参加・合意形成の事例をもとに、処分事業の推進方策を模索した。

他施設の取組にも学ぶという本シンポの主旨からまず、由田秀人・前環境省廃棄物・リサイクル対策部長が、PCB廃棄物の処理施設立地に関わった経緯を述べ、自治体への申し入れ、住民説明会等の経験から、(1)自治体トップがいかにマインドを持って語るか(2)都道府県と市町村で押し付け合い・取り合いにならぬよう(3)市民団体ともキチンと説明を――を重点としてあげた。

また、原科幸彦・東京工業大学総合理工学研究科教授は、長野県の産業廃棄物処分場計画での合意形成の事例を紹介。

続くパネル討論(議長=鳥井弘之・元日本経済新聞論説委員)では、青木俊明・東北工業大学ライフデザイン学部教授が、ダム開発に関わった経験から、住民たち自らが地域の将来を危機感を持って考える必要を指摘したほか、高知県東洋町の動きを省み、井川陽次郎・読売新聞論説委員が、処分地選定のプロセスで、応募から実際の調査に入る以前に、自治体が施策について勉強を積む段階を別途置くことなどを提案した。


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