[原子力産業新聞] 2008年12月11日 第2457号 <2面>

保安院評価は「適切」 安全委が柏崎刈羽地震動で

原子力安全委員会の耐震安全性評価特別委員会(委員長=入倉孝次郎・愛知工業大学客員教授)は8日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の基準地震動等に係わる原子力安全・保安院の評価に対する見解をとりまとめた。

東京電力は、中越沖地震時の観測データ分析とそれを踏まえ新たに策定した基準地震動について、10月までに報告書を保安院に提出、これを受け、同院では、専門家WGによる検討を行い、先月20日、「基準地震動は妥当」とする中間報告をまとめた。

これに対し、特別委員会は、(1)適切な基準地震動の設定(2)同地震動に基づいて決められる建物・構築物下の入力地震動の設定(3)それに対する施設健全性――の3要素で、原子力発電所の安全性が総合的に確保されるとの認識から検討を行い、今回の保安院による中間報告は、新耐震指針に基づき、柏崎刈羽発電所の敷地・敷地周辺の地質・地質構造と基準地震動に関して、「適切に評価している」と結論付けた。指摘事項としては、原子炉建屋基礎版の地震動や、新指針で定める弾性設計用地震動「Sd」に関しても、検討・評価を行うよう保安院に求めている。


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