[原子力産業新聞] 2008年12月11日 第2457号 <3面>

ロシアとインド 原子力貿易の関係強化 原子炉と燃料の供給で協定

インドを公式訪問していたロシアのD.メドベージェフ大統領は5日、ニューデリーで同国のM.シン首相との会談後に声明を発表し、両国がインドの民生用原子力発電所の増設で新たな協力協定を締結したことを明らかにした。また、両国首脳の合意を受けて、ロシアの原子燃料企業であるTVEL社は同日、インドの民生用原子力発電所向けに7億ドル相当の原子燃料を供給することでインド原子力発電公社(NPCIL)と議定書に調印した。

ロシア大統領府の発表によると、今回両国政府が協力文書を取り交わした分野は宇宙開発や情報技術、軍事技術、バイオテクノロジーなど多岐にわたったが、その中でもエネルギー分野における協力関係の強化は最も優先順位が高いものの1つ。メドベージェフ大統領は具体的な成果として、インドのクダンクラム原子力発電所にロシア製の原子炉を2基増設することで協力協定の調印に至ったとしている。

インド半島・最南端のタミル・ナードゥ州に立地するクダンクラム発電所では、2002年からすでにロシアのアトムストロイエクスポルト社が主契約者となって、受動的安全性を備えた第3世代のVVER1000(100万kW級のロシア型PWR)を1、2号機として建設中。インドへの原子力輸出が禁止されたのは1998年だが、これら2基の建設はそれ以前の旧ソ連時代に合意済みだったことから、輸出禁止の対象となっていなかった。

昨年2月に両国政府は同発電所に新たにVVERを4基、共同建設することで合意文書案を作成。9月にはこの計画を進展させる条件の1つであった原子力供給国グループ(NSG)によるインドへの原子力機器の禁輸解除が実現したことなどから、両国間の民生用原子力協力も本格的に拡大することとなった。

実際の署名を行ったロシア原子力総合企業であるロスアトム社のS.キリエンコ総裁によると、クダンクラム・サイトでは7、8号機まで建設する可能性があるものの、現段階ではまだ確定していないという。それよりもインドのその他の原子力サイトでもロシア型原子炉を導入することになったことや、インドへの原子燃料供給で議定書に調印したことが重要との見解を表明した。

TVEL社は、燃料不足のために稼働率が50%を少し超える程度にとどまっているインドのタラプール原子力発電所(16万kWのBWR2基、54万kWの重水炉2基)に酸化ウランペレットを供給するほか、重水炉が稼働するその他の発電所や、クダンクラム発電所が完成した際には同発電所にも燃料を供給する予定だ。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.