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[原子力産業新聞] 2009年1月6日 第2459号 <3面>

米原子力規制委 原発のセキュリティ強化へ 要求項目を拡大する最終規則案を承認

米原子力規制委員会(NRC)は12月17日、米国内の原子力発電所におけるセキュリティ規則を強化改定するための最終規則案を承認したと発表した。

同規則案の最大の特徴は、発電所でのセキュリティ活動とその他の活動との間に相反する効果が生じないよう、発電所の管理活動中に安全とセキュリティの調整を図る要求事項を加えた点。サイバー攻撃から発電所を防護するための包括的なプログラムの作成を要求する項目や、航空機の衝突や爆発、火災などにより施設の大半が失われた場合の戦略と対応手順を作成するよう要求する項目も新たに加えられた。また、セキュリティ要員の資格認定や訓練を要求する項目も含められた。

全般的に2001年9月11日のテロ攻撃後に課された要求事項と多くの点で類似しており、NRCはそれらを踏まえた上で新たな項目を多数、付加したほか、新規原子炉の認可手続き準備のための規制枠組みをも更新したと説明している。

今回の規則案はまた、「憂慮する科学者同盟(UCS)」など3つの民間団体がセキュリティ上の規則策定を要求してNRCに提出していた3件の請願にも応える内容となったと強調。NRCによると、それらは放射性物質による破壊工作の防止や管理区域入り口への武装警備員の配備などに関する要件を事業者に課すよう求めたものだった。

NRCはこの最終規則案の作成にあたり、4年以上もの期間を費やし、この間に公開ミーティングを3回開催したほか、パブリック・コメントを聴取するための機会を多数設定。関係者からも数多くの見解を取り入れ、同最終規則案の内容、形式、および構成の変更に反映させたと強調している。

同規則案は連邦官報に公示されてから30日後に発効する予定である。


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