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[原子力産業新聞] 2009年1月6日 第2459号 <4面>

柏崎でシンポ 落語で原子力の意義語る 新潟出身・三遊亭白鳥さん登壇

日本原子力文化振興財団は12月13日、柏崎市の新潟産業大学でシンポジウム「地球環境とエネルギー――改めて問う原子力発電の意義とは」を開催、新潟県上越市出身の落語家・三遊亭白鳥さんが「原子力問答(はらこ・ちから・もんどう)」を披露し、地球温暖化対策における原子力発電の意義を訴えかけるなどした。当日は、大学生50名を含む約150名が参加した(=写真)。

エネルギー落語「原子力問答(はらこ・ちから・もんどう)」のあらすじは、担任に引率された小学5年生が、校外学習で柏崎エネルギーホールを訪問し、ホール職員の原子(はらこ)さんとのやり取りを通して、放射線・放射能を正しく理解することが重要であることを知る。また、中越沖地震で被災した発電所の被害状況、復旧作業、耐震工事などの説明を受けることにより、誤解を解いていき、発電する時にCOを排出しない原子力発電が、地球温暖化防止にいかに有効であるかということに、気づくというもの。

落語に続いて、パネル座談会では、コーディネーターに科学ジャーナリストの中村浩美氏、パネリストに茅陽一・地球環境産業技術研究機構副理事長、木場弘子・キャスター、橋本五郎・読売新聞特別編集委員、山名元・京都大学原子炉実験所教授が出席。この中で茅氏は、温暖化対策としての脱炭素化策に、自然エネルギーと原子力をあげた。そのうち、太陽光や風力の電力は不安定なほか、バックアップ電源が必要な一方、原子力は燃料費は安いが設備コストが高く、問題が発生した場合、長期停止する可能性もあり、電源全体の半分位が妥当、と述べた。原子力について、今後の大切な点としては、教育、特に小学校における教育を指摘。今の小学校では原理から教えるということになっているが、核分裂などの難しいものは排除されるので、教育の仕方の工夫が必要であるとも述べた。


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