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[原子力産業新聞] 2009年1月6日 第2459号 <4面>

原子力研修センターが50周年 さらなる期待の声

日本原子力研究開発機構の原子力研修センターが、その前身となるラジオアイソトープ研修所(旧日本原子力研究所)の1958年開講から数え、50年を迎えた。59年に開所した原子炉研修所との統合、法人の改組等、幾多の変遷を経たものの、国内の原子力技術者養成機関として、一貫して重要な役割を果たし、昨年度までで、行政、研究機関、大学、民間企業、国外など、のべ約11万人が同センターで知識・技術を身に付けてきた。

昨年12月、これを記念するシンポジウムが東京都内で開催され、原子力各界の代表者らが、研修センター開設50周年を祝うとともに、その節目に際し、今後の人材育成に対する展望を述べた。

岡ア俊雄・原子力機構理事長は、「原子力の人材育成は世界共通の課題」と述べ、今後も研修センターが世界の原子力の発展に貢献していくことに強く期待した。

近藤駿介原子力委員長は、同委が主導するアジア協力の枠組みFNCAなどにおける同センターの国際的支援の実績を評価したほか、「研究開発において多様性が重要」として、様々な組織との連携の必要を述べた。

産業界からは、服部拓也・原産協会理事長が、同センターに学んだ自身の経験を振り返り、同窓生たちとは現在も交流が続いていることなどを述べ、人的ネットワーク作りの重要性を強調した。

また、インドネシア、タイ、ベトナムの政府高官などからの祝辞が紹介されたほか、パネル討論では、「地球温暖化対策を通じ原子力は社会に貢献できるということを若い世代に伝えるべき」(辻倉米藏・電気事業連合会顧問)、「原子力界がどんな人材を求めているか、現役の人たちが学生たちに語りかけるべき」(金氏顯・日本原子力学会シニアネットワーク代表幹事)といった声もあった。


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