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[原子力産業新聞] 2009年1月8日 第2460号 <2面>

「運転技術習熟の問題」 兒島社長 ガラス固化試験で説明

日本原燃の兒島伊佐美社長は12月24日の定例会見で、六ヶ所再処理工場のガラス固化工程に関し、「基本的に運転技術の習熟の問題」との認識を示した。

ガラス溶融炉の試験開始から1年あまり経過し、これまでの経緯を振り返り説明したもの。開始後約1か月で炉内温度管理、次に流下ノズルの問題に直面したが、「こうした課題に1つ1つ的確に対応してきた結果、将来に役立つ技術や知見やノウハウを着実に身に着けてきている」と指摘。昨年10月のガラス固化試験再開では固化体22本について安定運転を維持しており、「手応えを感じている」とした。

その上で同社長は、「基本的に運転技術の習熟の問題と考えている。ガラス固化という工程では、フランスやイギリスの先行プラントでも、かつて相当な苦労を重ねた」と述べた。

六ヶ所再処理工場のA系のガラス溶融炉では、12月11日に直型攪拌棒が曲がっていることを確認。これを引き抜いた上で、同月22日にカメラで炉内を調査したところ、天井の耐火レンガの一部が損傷していることが判明した。

今後、炉底部も調査するため、炉内のガラスを抜き出す予定で、現在、この際にガラスの流下性を向上させる措置を講じる検討や準備を進めているとした。


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