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[原子力産業新聞] 2009年1月8日 第2460号 <3面>

アレバの米国法人 濃縮工場でCOL申請 地元議員は規制委に早期の認可要請

仏アレバ社の米国法人が12月30日、米アイダホ州ボンネビル郡アイダホ・フォールズ近郊に計画している遠心分離ウラン濃縮工場について建設・運転・一括認可(COL)を米原子力規制委員会(NRC)に申請し、これに伴い、同州から選出されている2議員が同日、NRCに対して早急に認可を交付するよう要請していたことが明らかになった。

これはボンネビル郡出身で「上院・再生可能エネルギーとエネルギー効率委員会」の共同議長を務めるM.クラポ議員が自身のウェブサイト上で公表したもの。同議員は、原子力関係の予算を統括する「下院・エネルギー・水開発歳出小委員会」の委員であるM.シンプソン議員と連名でNRCのプロジェクト管理担当者に書簡を送り、アレバ社の「イーグル・ロック・ウラン濃縮工場」のCOLを早急に承認するよう求めている。認められればアレバ社は2011年にも同施設の建設を開始することが可能となる。

クラポ議員はまず、「濃縮工場の建設は原子力や再生可能エネルギー源を拡大するという国家目標のために決定的な役割を果たす」と断言。安全で経済的かつクリーンな国産エネルギー供給源を開発することは、今やかつてないほど重要であるとの認識を示した。

同議員はまた、アレバ社が採用しようとしている遠心濃縮技術がすでに欧州で実証済みであること、また、米国でも同様の技術を使った濃縮工場に対してNRCが認可を交付した前例がある点に言及。「地元コミュニティがNRCの認可手続きについて理解し、情報を得られるようにすることは非常に重要だ」と指摘しており、早急に審査日程を作成・公表するようNRCに要請している。

一方、シンプソン議員は「このプロジェクトはアイダホ州東部に高給与の雇用が創出されることを意味する」と評価。米国が厳しい経済不況を経験しているこの時期に、良質の雇用を約束するプロジェクトが進展することは非常に励みになるとの見解を表明した。また、同議員自身がフランスにあるアレバ社の施設を視察した経験に触れ、「施設と従業員の安全確保が保証されていることを直接実感することができた」との感想を明らかにした。


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