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[原子力産業新聞] 2009年1月8日 第2460号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 12月の利用率63%、前月より漸増 関西電力全機稼働、4年8か月ぶり

原産協会の調べによると、12月の国内原子力発電稼働状況は、設備利用率62.5%(対前年同期より3.6ポイント増)、総発電電力量229億1943万kWh(同5.6%増)と、柏崎刈羽全機停止から2度目の冬季電力需要期に入り、前年同月と比較してやや上回る結果となった。炉型別利用率は、BWR48.1%、PWR84.6%と大きな開き。

今期、定期検査入りに伴い停止したプラントはなく、一方、定検で停止中だった北海道電力泊1号機、東京電力福島第二3号機、関西電力高浜4号機、大飯4号機の計4基が戦列に復帰した。これにより、関西電力の原子力発電炉計11基が、04年4月の高浜1号機の定検停止以来、4年8か月ぶりにそろって稼働、同社の設備利用率は12月、91.9%に達した。この間、美浜3号機では二次系配管破損事故、同2号機では蒸気発生器入口管台溶接部損傷に伴う長期停止があった。各社プラントごとにみると、おしなべてPWRが好調で、特に、九州電力川内1号機の利用率105.4%が顕著。

事故・故障としては、29日に発電を再開した中部電力浜岡5号機が翌30日、気体廃棄物処理系統内の水素濃度上昇に伴い、原子炉を手動停止した。

震災、工事等により、長期にわたって停止しているプラント(計10基)を除くと、12月の設備利用率は78.6%となる。


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