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[原子力産業新聞] 2009年1月15日 第2461号 <3面>

仏EDF BE社の買収を完了 ECの合併条件をクリア

英国のブリティッシュ・エナジー(BE)社は5日、フランス電力会社(EDF)による同社の支配権取得が完了したと発表した。

これは同日付で、EDFの完全子会社であるレイク・アクイジッションズ社が、BE社の発行済み普通株および転換株の合計15億5000万株(96.44%)の取得について、保有機関等からの承諾を得たことから、同社によるBE社の買収が成立したもの。

EDFは昨年9月、BE社に総額125億ポンドの買収案を提示し、両社は合意に達していた。しかし、欧州委員会(EC)はこの取引について、市場競争の面から次の四点で深刻な懸念を持つと表明。すなわち、(1)BE社所有のベースロード電源とEDFの柔軟性の高い電源構成により、合併会社は電気料金の引き上げを狙って市場への供給量を減らすことが容易になる(2)市場に卸すはずの電力を内部使用に回す可能性が高まり、供給市場の流動性に悪影響を及ぼす(3)英国での新規原子炉建設に適したサイトのほとんどが合併会社の所有になる(4)合併会社は設備拡大計画を越えた送電網への接続権獲得が可能になり、競合会社の発電計画を著しく遅延させる危険性がある−−など。

EDFとBE社はこのため、対応策として、(1)EDFはサットンブリッジ火力発電所、BE社はエッグボロー火力発電所を売却する(2)合併会社は一定期間にわたって、最小限の電力を卸売り市場に回す(3)合併会社は新規の原子炉建設に適すると思われるダンジネスかヘイシャムの用地を売却する――などを提示。昨年12月22日付けでこれらに対するECの了解が得られたことから買収手続きが進められていた。


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