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[原子力産業新聞] 2009年1月15日 第2461号 <3面>

発電資産をスワップ取引 独E・ON社とエレクトラベル社

ドイツの原子力発電事業者であるE・ON社はこのほど、ベルギー電力市場への参入を狙い、同国で最大手の電力会社であるエレクトラベル社と発電資産の一部を売買することで同社と合意に達したと発表した。エレクトラベル社と交わした了解覚書(MOU)の内容は、E・ON社がドイツ国内で所有する発電設備と電力調達権のうち170万kW分を売却する代わりに、エレクトラベル社がベルギー国内で所有する同量の設備と電力調達権を購入するという資産スワップ取引き。これによりE・ON社はベルギー電力市場の12%を獲得し、同国内で第3位の発電事業者の地位を確保することになるという。

エレクトラベル社から購入する電力調達権のうち、約77万kW分はドール原子力発電所1、2号機、およびチアンジュ原子力発電所1号機からのもの。これに対して、E・ON社からはドイツ国内で稼働するクリュンメル、グンドレミンゲン、およびウンターベーザーの各原子力発電所からの電力調達権70万kW分がエレクトラベル社に売り渡される予定だ。

なお、E・ON社は同日、ドイツ第3位の電力会社であるエネルギー・バーデン・ビュルテンベルク(EnBW)社に対して、火力発電所の権利約53万kW分を売却することでMOUを締結した。

これらの取引きに関する最終合意文書への調印および手続きは今年前半までに完了させる計画で、E・ON社はすでに、欧州連合(EU)からの同意は取付け済み。今後は、双方の政府の独占禁止問題担当局や国内の関連機関から承認を得ることになる。


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