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[原子力産業新聞] 2009年1月29日 第2463号 <3面>

南アPBMR開発で 黒鉛被覆燃料球の製造に成功

南アフリカ共和国のPBMR社は13日、プレトリア近郊、ペリンダバの燃料開発研究所でペブルベッド・モジュール型炉(PBMR)の燃料に用いられる濃縮ウランを含有した黒鉛被覆燃料球の製造に成功したと発表した。

この燃料球は直径6cmどで、9.6%の低濃縮ウランを中心核に炭素や炭化珪素で4層に被覆されている。この被覆は核分裂生成物を遮蔽する役割を担っており、同じ目的に金属を使用する既存の原子炉燃料とは大きく異なるもの。これを生産する認可は昨年12月5日に規制当局が南ア原子力エネルギー公社(NECSA)に交付しており、PBMR社はNECSAとの協力の下、翌6日に約1500個の燃料球を製造した。それらは今月5日、照射試験を実施するため米国のオークリッジ・国立研究所に向けて輸送されている。

同社のJ.クリーク最高経営責任者は、「米国の次世代原子炉プロジェクト(NGNP)参加者としての多大な信頼を得るに足る業績だ」と評価。燃料の製造は、NGNPの候補設計としてPBMRを支持しているウェスチングハウス社などとの連携における重要な要素であると指摘した。

PBMR社は昨年8月、電気出力16.5万kWの実証炉(DPP)の建設について、マレー&ロバーツSNC−ラバリン・ニュークリア社(MRSLN)との間でエンジニアリング、機器調達およびプロジェクト建設管理(EPCM)契約を締結。ケープタウン近郊のクバーグで2010年に着工、2014年に完成させる計画だ。


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