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[原子力産業新聞] 2009年2月5日 第2464号 <1面>

原燃 六ヶ所再処理工場 竣工を今年8月に延期

日本原燃は1月30日、六ヶ所再処理工場の竣工時期を従来の今年2月から、今年8月に延期する工事計画変更を経済産業省に提出、地元自治体に報告した。

A系溶融炉の天井レンガの損傷や不溶解残さ廃液混合後の炉内変化などに関する調査・対策に時間を要するためで、同溶融炉の試験再開の準備が整うのは今年5月頃になる予定としている。

同溶融炉では昨年12月に直型攪拌棒の曲がり、天井レンガの一部破損などが判明したため、炉内調査のため内部のガラスを抜き出す必要があると判断。抜き出しを確実に行うため、新開発のドリル装置により、流下ノズルの下部からノズル内を貫通する穴を開け、流路を確保する作業を1月18日まで行った。

今後、準備が整い次第、抜出しを行い、炉底部の詳細な調査とともに、運転状態でのレンガの温度分布とレンガへの応力、セル内での遠隔操作の実績なども分析し、国に報告する予定。不溶解残さ廃液混合後に発生したガラス温度の上昇や白金族堆積指標の変化などの現象も分析する。

なおガラス固化セル内では1月21日と2月1日に、炉内点検のため取り外していた、高レベル廃液を溶融炉に供給する配管を閉止するフランジ部から廃液が漏えいする事故が発生、21日の件に関しては国に原因と対策も報告した。


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