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[原子力産業新聞] 2009年2月12日 第2465号 <1面>

新指導要領で文科省に要望 原子力学会

日本原子力学会は「新学習指導要領に基づく小中学校教科書のエネルギー関連記述に関する提言」をまとめ、原子力教育・研究特別専門委員会の工藤和彦主査(同学会副会長、九州大学特任教授)が5日、文部科学省を訪れ、坂田東一・文部科学審議官に手渡した。

昨年3月、学習指導要領が改訂され、原子力や放射線の取り上げ方が明記され、小学校では2011年度から、中学校では12年度からの全面実施に向けて、現在、各教科書会社で この方針に沿った新しい教科書の編纂が始まっている。

同委員会ではこの機会に、現行の学習指導要領と新学習指導要領、および現行の小・中学校教科書におけるエネルギーおよび原子力・放射線関連の取り上げ方を調査し、新しい教科書でのエネルギー関連記述内容の充実を図るべき事項を提言として取りまとめた。

提言では、小学校の理科・社会で「原子力が発電時に炭酸ガスを排出しないこと」、「エネルギー資源や環境問題の解決策の1つとして原子力発電が既に国内外で広く利用されていること」などを、中学校の理科・社会で「原子力に用いる核燃料がサイクルできることについて、それが資源の節約に繋がること」、同じく理科で「放射線は医療へはもちろん、非破壊検査、材料の改質、植物の品種改良など工業、農業にも広く利用されている」ことなどを、教科書で教えることを求めている。

なお、高等学校の学習指導要領改訂への対応については、同委員会では来年度に調査検討を行うこととしている。


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