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[原子力産業新聞] 2009年2月12日 第2465号 <3面>

フィンランドのフォータム社 ロビーサ3号機 増設で原則決定申請

フィンランドの電力会社であるフォータム社は5日、同社が操業するロビーサ原子力発電所に3号機を増設するための原則決定(DIP)を政府に申請したと発表した。同社の計画では、2020年の運転開始を予定しており、耐用年数は少なくとも60年と見込んでいる。炉型は今のところ決定していないが、申請では出力100万〜180万kWで5つの原子炉設計について検討。炉型と出力により、総工費は40億〜60億ユーロとなるが、いずれの場合も国の厳格な安全基準をすべて満たしていると強調した。同機はまた、電熱併給炉となる予定で、首都ヘルシンキの近郊区域からは地域熱供給を広範囲に利用する可能性について提案があったとしている。

フィンランドでは、昨年2月に大手のテオリスーデン・ボイマ社(TVO)がオルキルオト原子力発電所4号機としてDIPを申請したほか、今年1月には電力コンソーシアムであるフェンノボイマ社がまったく新しい立地点に新規原子炉を建設するためのDIPを政府に申請。フォータム社による今回の申請でフィンランド国内の新設計画が3基目となったことから、今後国内の電力需要量を見定めて政府が新規の建設基数を絞る可能性もある。

フォータム社は昨年4月にロビーサ3号機の環境影響評価書(EIA)を政府に提出。その際、同機の立地点が既存の発電所サイトであり、新たに用地を購入したり、強制収用する必要のない点を指摘した。同社はまた、同機から排出される低中レベル放射性廃棄物や使用済み燃料についても、それぞれヘストホルメンの処分場やユーラヨキで計画中の最終処分場に処分が決定していると強調した。


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