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[原子力産業新聞] 2009年2月26日 第2467号 <2面>

総務省 原子力防災で第2次勧告 オフサイトセンターの機能など

総務省はこのほど文部科学省と経済産業省に対し、原子力災害時のオフサイトセンターの機能など、原子力防災業務の改善を勧告した。中越沖地震による原子力発電所被災に伴う行政調査に基づくもので、勧告は昨年2月に続き2度目。

今回は、(1)原子力災害時のオフサイトセンターの機能確保(2)原子力災害時の迅速かつ的確な住民避難の実施(3)被ばく患者搬送体制の整備(4)原子力保安検査官・原子力防災専門官の効果的な研修の実施――などを調査、要改善事項を指摘した。

同センターは全国22か所の内、13か所を調査し、(1)同センター内の放射線量を低減する換気・出入り管理等が明確でない(7か所)(2)法令上要求される代替施設に通信設備が設置されていない(5か所)(3)同センターと代替施設がいずれも浸水想定区域内に位置している(1か所)――など、施設整備上の問題点を挙げた。

計14か所の原子力保安検査官事務所等も調査し、(1)災害発生時に組織する機能班の中心となるべき者や専門的知見を有する者が構成員となっていない(12事務所)(2)プレスセンターの設置場所が明記されていない(6事務所)(3)代替施設への避難方針が明記されていない(7事務所)――などを指摘した。

その他、「放射能影響予測システム『SPEEDI』の必要情報が3年間に一度も更新されていない(12道府県中4道府県)」、「三次被ばく医療機関(放医研、広島大学)への搬送体制が整備できていない(19道府県中13道府県)」といった、住民避難、被ばく患者搬送に関する問題点や、原子力保安検査官に対し、OJTを有効に取り入れた技術継承を含めた効果的な研修を実施することなどを勧告している。


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