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[原子力産業新聞] 2009年2月26日 第2467号 <3面>

仏電力と伊電力公社が合意 イタリアにEPR建設へ

フランス電力(EDF)とイタリア電力公社(ENEL)は24日、イタリアに少なくとも4基の欧州加圧水型炉(EPR)を建設するための実行可能性調査の実施、またフランスで2基目のEPR建設計画にENELが参加することで2件の了解覚書(MOU)を締結したと発表した。

これはローマで開催されていた仏伊両国の定例サミットの折、両国間のエネルギー協力に関する了解議定書の枠組みの中で結ばれたもので、ENELのF.コンティCEOとEDFのP.ガドネイ会長が調印した。

1つ目の覚書によると、EDFとENELは50対50の出資比率で企業連合を創設し、イタリア国内に少なくとも4基のEPRを建設するための実行可能性調査(FS)を実施する。そして、イタリアにおいて原子力発電復活のための法的および規制上の枠組みが整備され、資金調達に関する決定が出されれば、両社はFSの結果に基づいて建設プロジェクトごとに新会社を設立することになる。新会社は発電所を建設、所有、操業する企業体となるが、共通する特徴は、@発電所所有権の過半数および電力引取り権はENELが保有A発電所の操業はENELが主体となって実施BENELとEDFが過半数支配権を保持した上で第三者にも発電所の所有権を開放する−−としている。ENEL側は、2020年までに初号機の運転開始を目指している。

もう一方の覚書は、先ごろ決定したフランスで2基目のEPRとなるパンリー原子力発電所の増設・操業計画にENELが参加するというもの。ENELはすでに、現在フラマンビル発電所で進められているフランス初のEPR建設計画に12.5%出資しており、2017年の運開を目指して建設される第2EPR計画でも、他の出資企業とともに参加していく。

両社の協力関係は、2007年に両社がニースで結んだ合意に沿った内容となっており、ENELはEDFがパンリー増設を含めて2023年までに仏国内で計画している5基のEPR計画に参加できる一方、EDFはENELがイタリアを含めた欧州全体で展開する原子力計画に参加するオプションを保有している。


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