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[原子力産業新聞] 2009年3月19日 第2470号 <4面>

京大 世界初のADS実験開始 基礎データ取得目指す

京都大学原子炉実験所は4日、臨界集合体実験装置(KUCA)において、世界初となる加速器駆動未臨界炉(ADS)実験を開始した。

02年度の文部科学省の革新的原子力システム技術開発公募事業で採択された「固定磁場強集束型(FFAG)加速器を用いたADSに関する技術開発」の仕上げとして実施されるもの。FFAGからの高エネルギー陽子ビーム(100MeV)を、KUCA内に設置した重金属のターゲットに照射し、核破砕反応で発生した中性子を未臨界状態の原子炉中に打ち込み、核分裂連鎖反応を持続させてその特性を調べ、ADS開発の基礎データを得る計画。

KUCAは実験用の小型原子炉だが、内部を遮蔽壁で4つに区画しており、固体減速架台2基と軽水減速架台1基の3集合体と1つの加速器を設置した複合架台方式を採用している。


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