カナダ BPアルバータ社 ピースリバー地域内で 立地点を変更

カナダのブルース・パワー・アルバータ社は3月23日、カナダ・アルバータ州に新規原子力発電所を建設する可能性のあるサイトとして、新たにピースリバー町の北約30kmに位置するホワイトマッド地点を選定したと発表した。

BPアルバータ社は昨年3月、ピースリバー町の西30kmのラックカーディナル地点に原子炉4基を建設するため、カナダ原子力安全委員会(CNSA)にサイト準備許可(SPL)を申請。環境評価(EA)を申請するための準備作業実施について地元自治体と交渉していた。しかし、住民の中から原子力導入に対して懸念の声があがったのを受け、09年1月にラックカーディナルでのSPL申請を撤回する旨、CNSCに申し入れた。

同社はすでに昨年11月時点で代替用地の選定を進めており、ホワイトマッド地点はそのうちの1つ。過去半年間にわたった詳細な技術審査の中で、同地点はラックカーディナル近隣のその他の地点に比べ、「ピース河の近郊」という条件を含めた41項目の評価基準分析で最も得点が高かったとしている。

BPアルバータ社のD.ホーソン社長兼CEOは、「ピース地域の住民にも説明しているように、当社は幅広いオプションを考慮しつつ長期的に意思決定手続きを進めている」と強調。どちらの地点にもそれぞれ利点があるものの、アルバータ州に原子力を導入するプロセスの中で次の段階に進むためには、明らかにホワイトマッド地点が一層適していると説明した。

BPアルバータ社は今後、同地域の技術的、社会的、および環境に関わる側面でさらなる基礎データの収集を続け、建設計画と協議手続きを進展させる考え。その間、アルバータ州政府が任命した専門家小委員会が同州における原子力の役割について報告書をまとめるのを待ちたいとしている。

これらに続く手続きとして、同社は正式な環境評価(EA)を2010年にも開始するとしており、このEAが成功裏に進むことこそ同州に原子炉導入を決めるカギになるとの認識を表明した。


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