保安院、六ヶ所再処理廃液漏えいで 保安規定違反で再発防止を指示

原子力安全・保安院は2日、日本原燃六ヶ所再処理施設での高レベル廃液漏えいに関する保修作業で、保安規定違反が確認されたことから、同社に対し、原因究明と再発防止対策を指示した。

保安院は、3月2〜19日に実施した六ヶ所再処理施設に対する保安検査で、高レベル廃液供給配管の取り外し作業について、保安規定に基づく保修作業実施計画が未作成だったことなど、計5件の保安規定違反が判明したため、組織的要因を含めた原因究明、再発防止対策を4月30日までに報告するよう原燃に求めた。

同日に行われた総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会「六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会」(主査=神田啓治・京都大学名誉教授)で、原燃はこれまでの再処理施設品質保証体制の改善策取組状況を報告した。特に、人材育成関連では、他業種での安全文化や不適合に関する取組等について、体験させることから、日本航空とJR東日本での現場研修を2〜3月に実施しており、今後も研修後の評価を行った上で、継続することとしている。

また、原燃は、アクティブ試験の現状について、高レベル廃液ガラス固化施設の溶融炉流下性低下、かくはん棒の曲がり、ガラス溶融炉天井レンガの一部損傷に関する調査・検討状況などを説明した。高レベル廃液の滴下に関しては、「全社再発防止対策検討委員会」を設置するなど、体制整備を図り、背後要因分析を含む根本原因分析を行っている。


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