米サザン社 ボーグル3、4号機増設で EPC契約の実施通達

米国のショー・グループは8日、同社の原子力部門とウェスチングハウス(WH)社が、ボーグル3、4号機に関して昨年獲得した設計エンジニアリング・機器調達・建設(EPC)契約について、作業を進めるようサザン・ニュークリア社から正式な通知を受け取ったと発表した。これにより、ショー・グループはいよいよ、米国で30余年ぶりという新規原子力発電所の建設計画でEPCサービスを開始する正式な承認が得られたとしている。

ショー・グループとWH社は昨年4月、アルビン・W・ボーグル原子力発電所(PWR2基、各121.5万kW)を運転するサザン社から、同3、4号機として100万kWのAP1000を2基建設するEPC契約を獲得。今回の通達により、同契約の契約金(金額は非公開)が同社の2009会計年度・第3四半期の受注残高に正式に加算されることになったとしている。

ボーグル発電所はサザン社の子会社であるジョージア・パワー社が所有権の半分弱を保有し、残りは地元ジョージア州の電力公社やダルトン市営電力、オーグルソープ電力で分け合っている。サザン社は06年8月に両機の事前サイト許可(ESP)を米原子力規制委員会(NRC)に申請しており、08年3月には建設・運転一体認可(COL)を申請。翌4月にはショー・グループらとEPC契約を結んだ。また、、今年の3月には地元のジョージア州公益事業委員会(PSC)が両機の建設計画を承認している。

現在NRCによる2つの認可の発給を待っている段階だが、ESPについては今年2月、NRCはサイトでの部分的な建設準備作業(埋め戻し材や保持壁、防水剤、貧配合コンクリート等の設置)の実施を許可。最終的なESPも今年の後半に発給されると見られており、計画は2016年および17年の運転開始に向けて着実に展開している。

今回の通達を受けたショー・グループのJ.バーナード会長は、「当社としては米国で30数年ぶりという新規原発計画のために、いつでも基礎掘削を開始する準備は整っている」と語り、同社のみならず、米国の原子力産業界全体にとっても意義深い節目となったことを強調した。


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