文科省 基盤強化作業部会設置 人材育成など集中審議

文部科学省の「原子力分野の研究開発に関する委員会」(主査=田中知・東京大学工学系研究科教授)は16日、原子力分野の人材育成機能や研究開発機能の基盤強化を目指した調査研究を行う「原子力基盤強化作業部会」の設置を決定した。24日に始動し、7月を目途に一次報告書をとりまとめる。

海外での原子力発電所建設や国内既存プラントのリプレースにより今後、技術者の需要が大幅に見込まれる一方、大学では原子力を専門に教える学科数が減少傾向にあるなど、人材育成機能の弱体化が懸念されている。このような状況を踏まえ、作業部会ではまず、大学等における原子力教育の活性化について、人材育成を効果的に進めるための制度整備や支援方策を検討する。

また、研究用原子炉やホットラボの老朽化などから、原子力関連研究開発施設の有効利用に向けた方策、原子力技術の産業化への戦略的移行に関する環境整備方策についても検討を行う。

産業界と大学等との協力体制に関しては、原子力発電の黎明期・発展期を支えてきた熟練の研究・技術者のリタイアなどを踏まえた検討を行い、原子力機構を中心とした国内全体の基盤的機能強化を目指す。


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