中国の高速実験炉(CEFR) ロシアの協力で 年内に初臨界達成へ

ロシアの国営原子力総合企業であるロスアトム社は6日、傘下の実験機械製造設計会社(OKBM)の支援により、中国原子能科学研究院(CIEA)が北京で建設中だった「中国高速実験炉(CEFR)」で主要機器の設置および調整が完了し、今年中にも臨界に達することになったと発表した。

ロスアトム社によると、中国はロシアと同様に、核燃料を最も有効に活用する方法として高速炉の導入を国の原子力開発戦略としており、同国初の高速炉となるCEFRの開発計画は国家的な重要プロジェクトに位置づけられている。ナトリウム冷却方式で、熱出力は6.5万kW、電気出力2.5万kWの蒸気タービンに適合する。

ロシアはすでに国内で高速実験炉BOR60(出力12MW)および原型炉BN600(出力60万kW)を運転するなど、高速炉開発で豊富な経験を有することから中国のCEFR計画にも全面的に協力。OKBM社はロスアトム社の民需部門を統括するアトムエネルゴプロム(AEP)社の100%子会社としてCEFRの開発に携わっており、今回、同社の専門家が同機の原子炉安全システムや熱交換器、制御機器、および燃料交換機等の据付けを終えたとしている。

すでに原子炉の気密性試験も完了し、5月にはナトリウムの注入を開始。7月から8月にかけて、AEP社の核燃料製造子会社であるTVEL社製の燃料を装荷する計画で、今年の後半には臨界に達する予定だ。


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