【第42回原産年次大会】 開会セッション 基調テーマ「低炭素社会実現への挑戦──原子力は期待に応えられるか」 ルイス・エチャバリOECD/NEA事務局長 壮大な原子力開発に準備を

原子力機関(NEA)には、反原子力政策を持った国も入っているが、この報告書をまとめることには賛成が得られた。

今後の世界のエネルギーと電力需要に関する予測は憂慮すべきものだ。2030年までに、世界のエネルギー使用量は50%増加する見込みが高く、2050年までには需要はおそらく2倍以上増えるであろう。世界が2度C以上という潜在的に深刻な気温上昇を避けようとするならば、エネルギー消費単位当たりの平均CO排出を少なくとも4分の1に削減しなければならない。

気候変動に関する政府間パネルでは、人為的CO排出のうち、発電所が群を抜いて最大で最も急速に増加しているCO排出源であることを示している。各種発電源のCO排出の全ライフサイクルに関するデータは、原子力が実質的にCOを排出しないために、再生可能エネルギーの中で最高のものと比肩することを立証している。従って、ここに原子力の役割がある。

2030年と2050年を見据え、原子力発電が果たしうる貢献を予測した。低ケースと高ケースの2つのシナリオを作成した。低シナリオの場合でさえ、原子力発電容量が現在の3億7200万kWから、2050年には5億5800万kWへと50%を超える増加となる。高ケースでは、原子力は2050年にほぼ4倍に増加し、原子力発電所の数は現在の439基から約1400基へと増加する可能性がある。

シナリオに対応するためには、原子力発電所の建設速度を30年代に40〜50基/年に上げ、40年代にはさらに50〜60基/年に上げなければならない。過去には、80年代から90年代に米国で4年間に100基、世界で年間30基以上建設した実績があり、需要に対応して建設できると考えられる。この予測では現在の金融危機の影響は考慮していないが、その影響は2〜3年間程度という限定的なものと考えている。

原子力発電の重要な課題の1つは、ウラン燃料の供給力だが、再処理をしないワンス・スルー燃料サイクルを前提としたNEAの高シナリオの原子力発電容量拡大に対しても、2050年まで燃料を供給するのに十分な量である。


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