【第42回原産年次大会】 セッション2 基調テーマ「世界的な原子力利用拡大のなかでの日本への期待と役割」 ポーランド経済省原子力局専門官 トーマス・ヤコヴスキー氏 石炭火力が9割以上

ポーランドは、1人当たりのエネルギー消費量がEU平均の半分以下で、さらに石炭火力が92%を占めているという特殊性から、エネルギーを巡る状況を複雑にしている。

ポーランドは現在、EUのエネルギー政策策定に積極的に参画しており、それが国内のエネルギー政策にも反映されている。今後のエネルギーミックスで、重要なことは、エネルギー効率の向上、エネルギー供給安定化、エネルギー多様化の一環として原子力の導入、再生可能資源の開発、競争力あるエネルギー市場の開拓、環境負荷の低減などがあげられ、もうこれまでのエネルギーミックスでは不可能ということになる。

この1月、国のエネルギー安全保障、経済発展を考慮し、原子力発電プログラムを実施していくという決定が政府によりなされた。政府広報センターによると、少なくとも2基のプラントを同時に建設し、その1基は20年までに運転を開始することとしている。

しかしながら、実行機関の設立に関して、原子力発電で必要な規制・制度の準備、調整・監督に責任を負う政府の全権委員を置くこととなるのだが、まだそれが指名されていない。

行政組織としては、経済省内に最近、原子力局が設置された。20年ほど前、サイト調査も行われ、一旦は原子力開発に向けて高まっていた機運が失せてしまった経緯もあり、今後、様々なステークホルダーからなる協議会の発足、人材育成、一般への広報なども重要だ。


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