全米の原子力意識調査 原子力への支持最高に

全米を対象に3月に行われた調査で、米国人の70%が原子力を支持しており、反対派を2倍近く上回る結果となったことが明らかになった。

この調査は、ビスコンティ・リサーチ社の原子力部門がGfKローパー社と共同で、米国の成人1000人を対象に電話で実施したもの。結果には3ポイント前後の誤差が含まれるものの、回答者の大半が現存の原子力施設利用拡大を望んでおり、「将来的に国内原子力発電所の増設をすべき」で、電力需要に見合った原子力・風力・太陽光発電への融資保証制度を支持するとしている。

既存原子力発電所付近に新たな原子炉を新設することを容認する米国人は70%で、70%を超えたのは今回で2度目。昨年9月の調査では、74%が原子力を好ましく思っており、反対派は24%であった。今回の調査で反対派は26%だった。

最新の調査では、米国人の30%が原子力を「大変好ましい」と考えており、「強く反対する」という意見は12%にとどまった。ビスコンティ・リサーチ社のA.ビスコンティ社長(=写真)は、「原子力エネルギーへの強固な支持が示されている」と指摘。「世論調査で原子力を支持するとの回答は26年間ほぼ横ばいだったが、ここ数か月の原子力支持率の高さは前例がない。大きな変化が見られる」と説明した。

同社長はまた、「今日の世論は地球温暖化や大気汚染よりも雇用、経済成長、エネルギー自給率に関心を持っている。しかしながら明らかに原子力はこれらの問題を解決する方法の1つと見られている」との認識を示した。

さらに、3月28日で、1979年のスリーマイル・アイランド事故から30年を迎えたが、調査では83%が原子力発電所は当時より安全になったと回答。46%の米国人が過去30年間で原子力施設が「かなり安全になった」と信じていることが明らかになった。

このほか、原子力エネルギー支持の傾向が見られた結果は以下のとおり。

(1)62%の米国人が将来より多くの発電所を建設すべきとの考えに同意(2)70%が既存原子力発電所付近に新たな原子炉を新設することを受け入れられると回答(3)81%が原子力・風力・太陽光利用施設建設に早期に着手するための連邦政府による融資保証を認めるとしている(4)87%が原子力・風力・太陽光利用施設への税優遇を了解(5)84%が連邦の安全基準に則った原子力発電所の運転許可更新を支持(6)76%が今後10年以内に原子力発電所を新設する必要があれば、事業者は今、準備をしておくべきだとしている。


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