仏MOX輸送船が着岸 玄海3号、初装荷運転へ 中部、四国、九州電が共同輸送

中部電力、四国電力、九州電力の電力3社のMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を積んで、3月5日にフランス北西部のシェルブール港を出航していた輸送船2隻が18日、静岡県御前崎港の中部電力専用岸壁に到着した。今後、輸送船は伊方、玄海と回り、九州電力の玄海3号機(PWR、118万kW)では、次の定期検査でMOX燃料を原子炉に装荷し、今秋にも全国に先駆けて、運転を再開する見通しだ。

全国の原子力発電所で唯一構内専用港を持たない中部電力の浜岡原子力発電所では、まず公共港湾の御前崎港の同社専用岸壁に使用済み燃料の輸送容器を陸揚げし、トレーラーに積み替えた後、公道を通ってサイト内に搬入した。

MOX燃料輸送の詳細については、今後、四国電力、九州電力のMOX燃料受け入れ作業が終了した時点で公表することにしている。

今回の電力3社のMOX燃料は、フランス・アレバ社のメロックス工場で製造し、輸送船パシフィック・ピンテール号とパシフィック・ヘロン号の2隻で日本に共同輸送してきたもの。2隻は船団を組んで、アフリカ最南端の喜望峰を周り、南西太平洋を航海してきた。

今後電力3社では次の定期検査で、取替え燃料の一部としてMOX燃料を炉心に装荷する予定。

欧州からのMOX燃料輸送は、今回で3回目。99年の東京電力と関西電力の共同輸送、01年の東京電力の例があるが、関西電力は燃料加工委託先の英国原子燃料会社の検査データ改ざんで先方に返送済み、東京電力は原子力発電所構内に受け入れ済みではあるが、定期点検記録の改ざん問題などで、装荷計画は実施されていない。

MOX燃料の利用は、仏独などではすでに各原子力発電所で通常的に行われている。日本では新型転換炉「ふげん」での多くの利用を除くと、軽水炉では美浜1号と敦賀1号で85年から91年にかけて、計6体炉内に装荷し、健全性を確認している。


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