原潜解体、陸上保管に協力 日露が実施取決め

日露原子力協力協定が調印された同じ12日、河野雅治・駐露大使とロシア国営企業ロスアトム社のエフストラトフ副社長が、ロシア極東において海上保管されている解体済みの原子力潜水艦(=写真は解体中のもの)の原子炉区画を、陸上で保管するための施設建設に向けた協力事業の枠組みを定める実施取決めに署名した。

解体された原子力潜水艦の原子炉区画は、必要な密閉処理などを施した上で、現在は海に浮かべて保管している。ロシア政府は、この原子炉区画をより安全かつ安定的に保管するための陸上保管施設をロシア極東のラズボイニク湾に建設中で、今回の実施取決めに基づき、日本からは浮きドック、クレーン、タグボートを供与する。

1991年7月、米国と旧ソ連が第一次戦略兵器削減条約(STARTT)を含め一連の軍備管理・軍縮について合意したが、同年12月に旧ソ連が崩壊し、ロシアなど旧ソ連諸国に残された大量破壊兵器を迅速に廃棄することが重要との認識で、92年開催のミュンヘン・サミットで、日本を含めた先進7か国(G7)がその解決に協力することで合意。

その一連の協力の中で、日本はまず低レベル液体放射性廃棄物の処理船「すずらん号」を建造・供与した。その後、米国、カナダ、豪州、韓国とも協力して退役原子力潜水艦の解体事業資金などを拠出、2010年までには、ロシア極東における退役原子力潜水艦のすべてが解体される見通しとなっている。


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