ウラン残土でレンガ製造・展示 文科省に設置

日本原子力研究開発機構のウラン残土から作られたレンガを用いた室内花壇、文部科学省庁舎ジオラマ(=写真)が東京・霞ヶ関の同省入口に先月25日設置された。

原子力機構は1956年から鳥取、岡山両県でウラン探鉱活動を開始したが、88年、鳥取県東郷町(現湯梨浜町)の方面(かたも)地区で、ウラン残土が社会問題化し、地元自治会と協定を締結したものの、撤去後の受入先地元の協力が得られず、その履行を巡っては最高裁訴訟にまで発展した。その後、一部は米国で製錬し、残る2710立方メートルについては、これを原料として鳥取県三朝町の加工場でレンガを製造、11年6月までに県外へ搬出するという協定が06年5月、文部科学大臣、鳥取県知事、三朝町長、原子力機構理事長の4者間で締結された。

同レンガは昨年、地元の歩道舗装に利用することも提案されているが、敷き詰めたレンガの上に年間2000時間(約83日)いたとしても、一般公衆の被ばく線量限度1ミリSv/年以下となることが確認されている。


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