加原子力公社 NRU炉の復旧まで3か月以上

カナダ原子力公社(AECL)は2日、重水漏れで先月14日に停止した放射性同位元素生産炉(NRU炉)の完全な復旧までには少なくとも3か月以上かかるとの見通しを明らかにした。

NRU炉は、造影剤の原料となるモリブデンも含め、世界の医療用アイソトープ需要の3分の1を生産しているが、運開後すでに50年が経過するなど設備の老朽化が懸念されている。先月14日には、1時間に5kgの割合で重水が容器底部・外壁の腐食部分から漏洩しているのが検出され、AECLは同炉を停止。18日までに遠隔カメラを使った外壁全周の初期検査を完了したが、さらに複数の腐食が認められたため追加的な検査が必要な見通しだ。現在、圧力容器内の重水水位を下げ、約100本ある燃料棒の引き抜き作業を実施するなど、原因の究明と修理の準備に当たっている。

しかし、引き抜き作業だけで3〜4週間を要するため、復旧まで「少なくとも3か月」という現時点の予測より先の見通しは、修理技術の選択などが決定してからのことになるとも説明している。


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