電事連 プルサーマル計画見直し 「15年度までに16〜18基」

電気事業連合会は12日、国内原子力発電所16〜18基での実施を目指すプルサーマルの導入目標時期を、5年先送りすることを発表した。

原子力発電所を有する電力11社はこれまで、核燃料サイクルの確立に向け、「10年度までに全国で16〜18基の原子炉でプルサーマルの導入を目指す」こととしていたが、MOX燃料加工工場の操業開始予定の延期といった最近の状況、今月2日の近藤駿介・原子力委員長の「計画を納得感があるものに」との意見などを踏まえ、12日、各社社長で構成する「プルサーマル推進連絡協議会」において、計画を見直すこととなった。これにより、「遅くともMOX燃料加工工場が操業開始予定の15年度までに、全国で16〜18基の原子炉でプルサーマルの導入を目指す」との新計画の実現に向け、全力で取り組むことを確認した。

これに伴い、本年3月に公表した「六ヶ所再処理工場で回収されるプルトニウムの利用計画」も見直し、MOX加工工場操業開始の12年度から15年度への延期に合わせ、電力各社による利用開始時期を変更した。

プルサーマル計画については、97年の電力全体の導入計画取りまとめ後、99年のMOX燃料データ改ざん問題、02年の点検不正問題等に起因する開始時期の遅延を踏まえ、03年12月、電事連として「10年度までに16〜18基」との計画が再確認されていた。今回の計画見直しについて、森詳介・電事連会長は12日の定例会見で、エネルギーの安定的確保の上から、プルサーマルの重要性を再認識するとともに、「引き続き、ご理解とご支援のほど」と述べ、新たに策定された計画の着実な実現に向けた決意を表明した。

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二階俊博・経済産業大臣は12日、今回のプルサーマル計画見直しを受け、事業者に対して、「安全確保に万全を期し、可能な限り早期のプルサーマルの実施に向け一層の取組を」と要請し、国としても、最大限の支援を行うなどとする談話を発表した。


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