学術会議 G8サミットに向けて共同声明 「原子力発電の推進も」

金澤一郎・日本学術会議会長は11日、麻生総理に7月イタリアで開催される「G8サミットに向けた共同声明」を手渡した。

同声明は、G8サミットに参加予定の各国および関係5か国(ブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカ)のアカデミー(学術会議)が、サミット参加国指導者に対する共同提言として、以下のように訴えている。

▽コペンハーゲンで開催予定の気候変動に関する国際連合枠組条約に関する交渉において、2050年までに地球全体の炭素排出量を1990年レベルの概ね50%に削減することとする地球規模での長期的目標および中期的排出削減目標を採択することに合意すること。

▽地球の気候、低炭素と気候復元技術、そして気候変動に対する自然システムの柔軟性の保護と促進についての基礎的、国際的な研究を大幅に増大させること。

▽気候変動の緩和およびそれへの適応のための環境面からみて持続可能な技術の開発および導入に向けた、戦略的観点からみて共通して対応すべき優先課題を特定すること。

▽低炭素かつ気候変動に対して柔軟なインフラおよび技術の導入、さらにクリーンな「グリーン・テクノロジー」の導入を促進するための、経済的および規制的手段を用いた革新的な誘導策の実施について協力すること。

▽持続可能な低炭素エネルギーの未来を実現するために必要な技術に、発展途上国がアクセスでき、利用することが出来るよう支援すること。

▽経済効率が高くかつ 技術面で安全性が高いCCS(二酸化炭素の回収・貯留)の開発、実証および導入、並びにCCS標準規格の確立に向けて努めること。

▽安心かつ安全な原子力発電、核廃棄物の安全な廃棄、および核拡散のリスク低減に関し、国際協力を推進すること。

▽適応に向けた技術の開発および導入のための投資を大幅に増大すること。特に、最も貧困な国々への資金供給を増やすこと。

エネルギーに関する課題として、原子力発電所の開発を挙げており、そのためには、核拡散リスク低減とともに、次世代原子力発電炉の開発に関しても国際協力が不可欠だとしている。


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