スコダが原子炉系受注 スロバキアのモホフチェ3、4号

チェコの重電機器製造会社であるスコダ社は15日、スロバキアのモホフチェ原子力発電所3、4号機を完成させるプロジェクトで、原子力系統設備(NI)機器を供給する契約を百億チェコ・コルナ(約512億円相当)でスロバキア電力公社(SE)と締結したと発表した。

両機の建設工事は10年以上にわたり中断していたが、イタリア電力公社(ENEL)は2005年、両機の完成を条件にSE社を買収。昨年11月には作業の再開を宣言していた。両機が44万kW級ロシア型軽水炉(VVER)として着工したことから、SE社は両機の主要機器について、ロシアの大手重工会社であるOMZ社傘下のスコダ社と約2年にわたって交渉し、同社を主契約企業5社の1つに選択したとしている。

なお、SE社はこのほか、スロバキアのR.フィッコ首相が同席する場でスコダ社以外の機器供給業者−ロシアのアトムストロイエクスポルト社、スロバキア原子力研究所、Enseco社など−とも、一部のNI機器供給契約を締結。計装制御(I&C)系については仏アレバ社と独シーメンス社が、タービン発電機器部分のエンジニアリング・建設、およびプロジェクト管理はENEL社のグループ企業が担当することになった。

フィッコ首相は、2013年までに3、4号機を完成させるという同プロジェクトについて、「27億ユーロという投資総額はスロバキアの歴史上、民間企業による投資としてはかつてない規模」と形容。政府が同計画を全面的に支援している点を強調した上で、「このような投資は世界中の経済を直撃している不況の影響を緩和することになるだろう」と指摘した。


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