経済産業省 エネ基本計画見直し着手 「原子力発電推進方策」も論点

経済産業省の総合資源エネルギー調査会は、8日開催の総合部会(部会長=三村明夫・新日本製鉄会長)で、「エネルギー基本計画」の見直しに着手した。新興国のエネルギー需要急増、原油価格騰落等のエネルギー需給構造の変化や、温室効果ガス削減に向けた中期目標策定など、地球環境問題を巡る状況を踏まえ、再検討するもの。

現行の基本計画は、エネルギー需給全体に関する長期的、総合的、計画的な推進を図るための基本的方向性を示す政策基礎として、「安定供給の確保」、「環境への適合」、「市場原理の活用」を基本方針に据え、03年10月に策定・閣議決定された。同計画は、エネルギー政策基本法に基づき、3年ごとに見直すこととなっているが、検討に際しては、今後のエネルギー情勢を分析し、昨今のエネルギー需給の構造変化を踏まえた上で、エネルギー戦略を再検討、計画見直しに反映させていく。

具体的な審議は、総合部会の下に、「基本計画委員会」を設置、8月下旬頃より始動し、年内を目途に見直し案を取りまとめた上、来年3月頃に成案を得る予定だ。

8日の総合部会では、資源エネルギー庁が、エネルギー政策に係わる取組状況と今後の基本的方向について整理した。エネルギーを取り巻く現状・対応に関してはまず、04年以降の原油価格の騰落とその市場に与えた影響を述べ、今後の再高騰に備え、省エネの推進、新エネ・原子力の開発などを重要とした。さらに、エネルギー政策と地球温暖化対策は、一体的に解決すべき「コインの裏表」の関係として、短期・中期・長期それぞれに応じた取組の必要を求めた。

今後の方向性としては、省エネルギーの推進、非化石エネルギーの導入推進、化石エネルギーの有効利用、レアメタル等鉱物資源安定供給確保、資源外交・国際協力、革新的技術開発の推進、電気・ガス事業制度改革のあり方のそれぞれについて、現状認識と論点を整理した。

原子力の推進に関しては、6月にとりまとめた「原子力発電推進方策」に基づく具体的取組の検討を論点として掲げた。


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