加AECL NRU炉の運転再開は年末頃

カナダ原子力公社(AECL)は8日、5月の重水漏れによりオンタリオ州チョークリバーで停止中のNRU炉について、様々な修理オプションを評価した最新の結果によると、運転再開は早くても今年11月頃になるとの見通しを発表した。

AECLによると、同炉の停止期間は重水漏れした容器や漏洩個所の状態、修理戦略、および停止が長引いた後に運転再開する際の必要項目など、最新情報の分析に基づく実態データで決まる。このため、同公社では運転再開までの作業を3段階に分け、現在、フェーズTの作業である原子炉状態の総合的な評価や複数の修理オプションのテスト、修理作業の全体計画作りなどを(事故発生直後から計算して)2か月半の日程で実施中。これらの作業いかんで、フェーズUの修理戦略を定めると説明した。

修理方法は今後数週間以内に決定予定だが、フェーズUではその修理方法や規制上の条件、修理を要する範囲のさらなる分析等の状況に応じて、2か月程度を要するとAECLでは予測。原子炉のテストと運転再開段階に入るフェーズVでは、さらに2か月程度かかると見込んでいる。

現在までのところ、アクセス口から最も近い約9メートルに位置する原子炉底部の重水漏れ個所の徹底的な分析調査を実施。圧力容器外周の6割以上を遠隔・非破壊方式で検査し、合計9か所を特定した。漏洩個所の容器壁面が減肉しているのが明らかになったとしている。

最良の浄化・補修方法を決定するにあたっては、AECL所属の専門家が外部のエンジニアリング会社と共同で作業を進めている。また、原子炉容器の点検・補修に先立ち、訓練とテストを行うため、AECLは容器の実物大模型を作成したほか、実機と同じ高さの原子炉断面模型も作成中。可能な限り早い時期に安全に同炉を運転再開できるよう24時間体制で作業中だと強調した。


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