人材育成ほか強化策示す 文科省・作業部会が「中間整理」

文部科学省の「原子力分野の研究開発に関する委員会」原子力基盤強化作業部会(主査=田中知・東京大学工学系研究科教授)は13日、研究開発や人材育成の基盤強化に向けた今後の具体的方策に関する「中間整理」を行った。

「中間整理」では、「原子力人材の育成」、「研究開発インフラ」、「原子力技術の戦略的な技術移転・産業化」、「原子力機構の基盤的機能」の4項目について、同作業部会で議論してきた今後の検討課題を、「早急に対応すべき課題」と「中長期的に対応すべき課題」とに整理した。「早急に対応すべき課題」は来年度予算要求、原子力機構の次期中期目標・計画に、「中長期的に検討すべき課題」は原子力政策大綱改訂議論にそれぞれ反映できるよう、タイムリーな時期に検討結果を発信し、施策の具体化を促進していく。

人材育成については、「早急に対応すべき課題」としてまず、「初等中等教育段階における原子力教育の強化」を掲げ、文科省として、関係省庁・機関との連携のもと、副読本の有効活用や効果的な教員研修などに本年中にも取り組むこととしている。また、「中長期的に検討すべき課題」としては、「退職人材の戦略的な有効活用」をあげており、原子力開発の黎明期から発展期を第一線で支えてきた人材を研究機関や産業界の若手育成や技術相談等の担い手として、有効活用していく制度構築に向け今後、作業部会で検討する考えだ。

また、原子力機構を中心に日本が有する原子力研究開発インフラを再整理し、これまで以上に有効活用することから、既存インフラの利用状況やニーズの整理・改善策の検討、役目を終えた施設の計画的な廃止措置実施、ユーザーの利便性向上と施設の外部利用促進、計算機を用いたシミュレーション技術の維持・強化など、次期中期計画に反映するよう機構に促すこととしている。機構の現行中期計画は本年度末までとなっている。

その他、技術移転・産業化では、核燃料サイクルの事業化加速を見据え、技術開発主体、関連メーカー、事業実施主体との、より有機的・戦略的な連携を、原子力機構の基盤的機能では、組織・体制の改革とともに、技術力・インフラ・人材の「オール・ジャパン体制」での戦略的有効活用を求めている。


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