厚労省が調査報告受け 審議会で食品照射検討開始

厚生労働省は23日、薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会・食品規格部会(部会長=大前和幸・慶応大学医学部教授)を開催し、次回会合から食品照射について検討する方針を明らかにした。次回日程は未定。

厚労省は今会合で、三菱総合研究所に調査委託して進めてきた「食品への放射線照射についての科学的知見のとりまとめ業務」報告書を委員に配布した。同省ホームページでも掲載されている。

前回6月の食品規格部会で、大前部会長は「つい最近、報告書が上がってきて、それを参考にして、将来的に照射食品の検討をする」と述べていた。また厚労省事務局は、照射食品の安全性検討のほかに、(1)照射食品について消費者が受け入れられる状況としてどう考えているか(2)事業者が照射技術を必要としているかどうか――などについても検討していく方針を示し、今後、「(照射食品に関連する)事業者の関係する省庁や、照射に関して意見のある団体などの意見を聞くことも必要」との考えを示している。

三菱総研の報告書では、食品安全行政の観点から食品への放射線照射について検討を行うため、これまでに公表された科学的知見を収集し、食品への放射線照射を行うことにより生じると考えられる危害要因について、「収集した文献等を精査・分析し、リスクプロファイル原案を作成するとともに、食品への放射線照射について、我が国内におけるニーズを把握するための調査」と位置づけている。

報告書の具体的な内容は、(1)食品照射の科学的知見の収集・整理(2)世界各国の規制および運用状況(3)照射食品の統計資料等の収集・整理(4)日本の食品照射ニーズの把握(5)リスクプロファイルの作成――の章立てとなっているほか、参考資料として、用語集、市民・事業者・学会向けアンケート票、照射食品反対ネットワークからの要望書なども添付されている。

今回の食品照射報告書は次のURLから。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/housya/01.html


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