カナダと中国 トリウム燃料利用で協力協定

カナダ原子力公社(AECL)は、中国で稼働するCANDU炉(加圧重水炉)でのトリウム燃料の利用について評価するため、中国の第三秦山原子力発電公司(TQNPC)、中核北方核燃料元件公司(CNNFC)、および中国核動力研究設計院(NPIC)と協力協定を締結したと14日に発表した。

中国では現在、上海南西部にある秦山第三期原子力発電所(=写真)でCANDU6型炉2基(各出力72.8万kW)が稼働中。同協定により両国は、CANDU炉でトリウム燃料をフル・スケールで利用する商業的、技術的な可能性について、技術開発と実証を行っていくことになった。

両国は昨年11月、PWRの使用済み燃料から回収したウランをCANDU炉で利用する可能性を探る協力協定に署名しており、今回の協定は、前回協定に付随していた補完プログラムのフェーズUに当たる。現在進行中のフェーズTでは、トリウム利用案の経済的な実現可能性について共同調査中で、今年10月31日までに完結する予定だ。

AECLでは、原子力ルネッサンスが世界的に推進力を増すにつれて、ウランに代わる原子炉燃料オプションを模索する国々が増加していくと予測。ウランと同様、核分裂物質であるトリウムは中国やインドなど多くの国で容易に採掘可能であり、埋蔵量もウランの3〜4倍と見込んでいる。


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