B&W社 ディアブロキャニオン炉 圧力容器上蓋を製造

米国のバブコック&ウィルコックス(B&W)NPG社は7月20日、カリフォルニア州で稼働するディアブロキャニオン原子力発電所(=写真)用に製造を請け負った2つの取替え用圧力容器上蓋のうち最初の1つの製造を完了したと発表した。

パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)社が所有・運転するディアブロキャニオン発電所では110万kW級PWRが2基稼働中だが、両機ともに80年代中ごろに運転を開始した。圧力容器の取替え用上蓋の製造は、仏アレバ社がPG&E社から受注した契約の一部をB&W社が請け負ったもの。

2号機の圧力容器上蓋の製造はインディアナ州マウントバーノンにあるB&W社の機器製造工場で行われた。B&W社は2007年10月に日本製鋼所から上蓋の鍛造品を受け取り、被覆加工、機械加工、溶接作業を開始。 制御棒駆動機構を取り付けて組み立てた上蓋一式は7月の第3週に発電所サイトに向けて出荷された。現地では発電所の今秋の計画停止に合わせて、アレバ社が既存の上蓋と交換設置することになっている。

なお、B&W社のマウントバーノン工場は、米機械学会(ASME)から原子力用プラント機器に関する品質保証である「N‐スタンプ」製品の製造認証を取得しており、米国内で唯一、高圧原子炉圧力容器の製造を承認されている。米国では長年にわたって原子力発電所用の大型機器が国外で製造されていたが、B&W社では米国内における大型機器製造能力の維持を希望。1号機用の取替え用上蓋は2010年第1四半期に完成させ、後続の製造受注につなげたいとしている。


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